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VidMeet Onlineを支えるツールたち

株式会社インターネットイニシアティブ 山本 文治

VidMeet Onlineは複数社によるオンラインコラボレーションイベントで、参加各社は会社の枠を越えて活動しています。日常業務もこなしながらイベントのために積極的に参加しているメンバーの熱意によって駆動されているプロジェクトですが、その想いをかたちにするためには何かしらの支援を必要とします。

運営面では池上通信機の今成歩さんと私IIJの山本文治が事務局的な役割を担っていますが、ここではプロジェクトの活動を支えているツールについて紹介してみます。

コロナ禍によってオンラインコラボレーションツールの重要性と有用性は一般にもかなり共有されることになりました。これまでは一部の人しか使っていなかったチャットツールやオンラインビデオ会議ツールが社会一般に広まったことは周知の事実かと思います。

しかしそこは「IP化」を看板とする我々。当然、コミュニケーションはすべて「over IP」でおこなわれます。ここではVidMeet Onlineで用いている各種のツールをご紹介します。

まずこれがないと始まらないのはオンラインチャットツールの「Slack」です。元々VidMeet Onlineのアイディアが浮かんだのも、2019年Inter BEEでの有志のプロジェクトが使っていたSlackのチャンネルからでした。現在はVidMeet Online用に「運営チャンネル」「技術チャンネル」「ウェビナー連絡チャンネル」を作成。後述するGROWIとの通知連携も含めて、非常に活発な議論がおこなわれています。

Slackについては、その有用性だけではなく「よりよい使い方」についても議論が交わされました。チャットツールは非常に便利に使える反面、発言の敷居の低さによって重要な情報が流されてしまいがちです。いわば「情報S/N比の悪化」に対しての対策が必要ではないだろうかという問題意識があります。このあたりは、今後Slack社や他社類似ツールにおける開発の方向性を見極めつつ、「議論をいかに盛り上げるか」「運用ツールとしてどのように使いこなせるか」が重要になるのではないでしょうか。

そしてSlackの濃い議論をさらに支えるのは「Zoom」。もはや説明の必要がないくらいに普及したツールです。今回我々はZoomを「全体ミーティング」「部門別ミーティング」そして「ウェビナー」の三パターンで用いています。ミーティングは20名弱、ウェビナーは100名を超える参加者を集めることがあり、各社様の商用ライセンスをご好意により使わせていただいています。この場を借りて、感謝の念をお伝えいたします。ありがとうございます。

Zoomはあくまでカジュアルに使っているという感じですね。マイクや映像入力に拘る方もおられると思いますが、VidMeet Onlineではさらっと使いこなす方が多い印象です。ただ職業柄か、ノイズやハウリングには厳しいかもしれません(笑)。

一昔前、二昔前だとこれに必ず「携帯電話」が加わったかと思いますが、今回はほとんど聞かないですね。事務局の二人は在宅勤務も多いため、何か込み入った相談があるとSlackで「今からZoomいい?」と発火する感じです。

次に紹介するのはWikiツールの「GROWI」です。連絡そのものはSlackでするにせよ、何かまとめた資料なりメモを作りたい、あるいはZoomミーティングのアジェンダを作成したい・議事録を作りたいとなると、Webベースのツールがどうしても必要になります。GROWIはWESEEK社が開発しオープンソースで提供されているWikiツールです。編集中のマークダウン文書のリアルタイムプレビューが可能という特色を持っています。筆者が探してきたツールなのですが「なんかカッコいいな」と思って使い始めてみました。この「カッコよさ」も、プロジェクトメンバーに使ってもらおうとした時の重要なファクターだと思ったからです。マークダウンの書式も難しくなく、とっつきやすい印象です。

何か考えをまとめ共有するときに、ついPowerPointで文書を作ってしまうという方も多いのではないでしょうか。しかしその考えをファイルにしてしまうと、今度は「情報共有の広がり」を持たせにくくなります。皆が共有できるWebページを改版していく方が、この手のプロジェクトでは特に重要なファクターになります。

GROWIではダイアグラムをWebブラウザ上で描画できるdraw.ioとの連携機能も付いています。最初はこれもカッコいいなと思っていたのですが、実は筆者はお絵かきするのが非常に苦手。ある方がネットワーク図を送る際に「紙に手書きした絵を写真に撮ってGROWIに添付」するという手法を取ってこられて、これだ!と閃きました(笑)。この方がはるかに速いし、意思疎通には十分だったりしますよね。もちろんデジタルデータのわりには再利用できない(JPEGファイルやPNGファイルの写真ですから)という弱点があるのは分かっているのですが、この辺りは痛し痒しですね。

draw.ioで描いた図。カッコいい。が、一回しか使わなかった。
まー、これでいんじゃね?の図。色々なものを諦めた後の清々しさがある。

商用ツールのBoxではオンラインで複数人が同じファイルに対してリアルタイムテキスト編集を共有できる機能がついていたりしますが、これが一般的になるといいなと思っています。議事録の出席者を書くのが圧倒的に楽になりますし(チェックインがわりに記名してもらえば良い)アジェンダ出しもよりやりやすくなります。この辺りは、チャットツールとWikiツールの中間に開発の可能性があるんじゃないかなと思っていたりします。

そして、Webサイト vidmeet.tv に用いているのが「Wordpress」。これも説明の必要がないでしょうが「ブログから高機能なサイトまで作ることができるオープンソースのソフトウェア」です。(ja.wordpress.orgによる)実は私、今回はじめてWordpressに触れました。VidMeet Onlineの活動を計画している中で、どうしてもWebサイトの必要性があると感じたのですが、筆者は「HTML 2.0世代」の人間です。どう逆立ちしてもイマっぽいWebページを書くなんてことはできません。ただこの世の中では、ある程度それっぽいWebページでないと、見る人が寄らなくなることもわかっています。正直言えば、仕方なく手を出した…というところでしょうか。

いまvidmeet.tvへアクセスして「見にくいなぁ」とお感じのあなた。私も同感です(苦笑)。あまり見栄えにこだわる時間がなくて申し訳ないと思っています。次こういう機会がもしもあったとしたら…なにか別のツールを探すかもしれません(おっと、PHPの悪口はそこまでだ)。

ちょっと長くなりました。時間があれば、次はネットワークツールについて書いてみたいと思います。